この本が意外なところで(ほんの少し)役に立ったので、改めて書いてみる。
この本には、個人的にとてもありがたい思いをしている。 会計がわかりたくて、でも、あまりお金をかける気にはなれなくて、BookOffでビジネスマン向け文庫本を何冊かかって読んでみたりした時期があった。 「初心者向け経理?」とか「キーワードでわかる会計」とか、そういう類の本だ。
考えてみれば当たり前なのだけど、こんな本でわかるはずがないのだ。
知識や経験が乏しい人にとって頼れるのは、論理性のみである。 語り口だけをやさしくしたり、1ワード1ページ、絵をふんだんに!てな具合に装丁を工夫した本があったからといって、理解が深まるはずがないのだ。
ある考え方をベースにして、演繹的に次なる考えを導きだすような、論理的な組み立てがなされている本でなければ、自分のような皮膚感覚がない人間にはわかるはずがない。
上記にあげたMBA財務会計は、非常に論理的でわかりやすい書籍である。 論理のみしか頼ることができない、私のような人間には最適な構成になっている。 お勧めできる。
また、すでに基礎的な考え方が理解できているため、手っ取り早く知識の量を増やしたい人には向いていない点には注意されたい。
### 副作用 ###
この本はタイトルに「MBA」なる用語が入っている。ぶっちゃけ、この「MBA」なる用語には殆ど意味はない。この書籍が、「MBA?」というシリーズの一環として出版されたという意味以上のものはない。ただ、「MBA」を目指す人には役立つであろう、ちょっとした配慮がなされている。
会計上の用語の英訳が常にカッコ書きで記載されているのだ。売掛金(accounts receivable)とかである。
これが今日、業界の委員会活動で英語の文献を読み合わせをする際に役に立った。MBA財務会計サマサマだ。
これはさておき、日本、英語ともに会計の用語は一種独特のものがあるため、両者を対応付けて理解する方法は非常に良いと思う。同じ概念を2つの世界からのぞく格好になるため、理解が整理されやすい。というわけで、やっぱりオススメ。